無垢でいられなかった花5 つり球 はりきってスタートライン 2013年04月29日 これで終わりです長いので折り畳み どんっ、と衝撃を受け止めたアキラの身体が傾いた。一瞬、視界いっぱいに空が映る。夏の色濃い青が目に焼き付いた。そしてすぐに視界の青さは、空の色から海のそれへと変わる。 飛び込んだ水に揺らめく世界。開きっぱなしの口からごぼりと酸素が泡となって出ていった。 なんなんだいったい。混乱するアキラの脳裏にこれまでのことが走馬灯のように巡る。 ぐるぐる。ぐるぐると。 権限発動させたジョージ・エースによって、アキラは半強制的に江の島へやってきた。まだハルに対してどうするのか踏ん切りもつかないままに。 もちろん、のうのうと真田邸に戻るなど愚の骨頂。かといって、下手にヘミングウェイやしらす亭に顔を出したら、すぐに居場所がばれてしまう。 江の島は小さい島だ。無闇に歩き回ったら、かつてのクラスメートと鉢合わせする可能性も大きい。 結果身動きがとれなくなったアキラは、片瀬漁港東プロムナードでぼんやり海を眺めていた。ちなみにタピオカはいない。未だに続いている恋人との時間を楽しむため、今回の謹慎にはついてきていなかった。 長年連れ添った相棒より、最近出来た恋人を優先させるのかタピオカよ。薄情者め。 アキラは、世界にひとりぼっちになったような気がして、寂しくなってきた。半分自業自得だけども。「……どうするかな」 今のアキラには、悠長に釣りをする心の余裕もない。江の島にいるふりをして、どこか別の場所へと逃げようか。いやいやしかし、あの上司にはそれすらもお見通しかもしれん。いつぞやも、こっちがハルを監視していたつもりだったが、向こうもまた俺の動向を監視していたからな。 ――ハルに、ありがとう言った? 悩むアキラは、ふとケイトに言われた言葉を思い出した。 ――言っていないなら、また言いに戻らないとだめよ。うれしい気持ち、ちゃんと伝えなきゃ。「うれしい気持ち、ね……」 アキラは左手を胸の高さまであげた。手首にはめられた赤色のブレスレットは、日光の光を浴びて今日もきらきら輝いている。まるでハルの笑顔みたいだ。 思い返せば、俺は何も言ってないな。DUCKの一員としてではなく、アキラとして。 ハルが戻ってきた江の島に足繁くかようようになってから、アキラは本心を告げたことがなかった。いつだってハルに振り回されて、ユキがそれを見て笑って。夏樹からの連絡にみんなしてはしゃいで。 ――毎日が楽しすぎて、何も言わなくとも幸せだった。 だったらこれ以上なにを望む。いいじゃないか、もう十分幸せなんだろ。 これまでの日々を思い返すだけで、胸は暖かくなる。 身に余る――幸福だ。 アキラは胸を押さえた。もう、これだけで十分――。アキラはそう自分に言い聞かせる。 その時、スーツのポケットに入れていたスマホが震えて着信を告げた。取り出し、発信者の名前を確認する。 ――真田ユキ。 アキラは着信に出ず、ただ向こうから切ってくれないかと祈った。しかし、着信音はいつまでも鳴り続ける。まるであきらめるなとアキラを叱咤しているように聞こえた。 アキラは迷った。このまま素知らぬふりをして電源を切ってしまっても構わない。しかしユキの諦めの悪さを、アキラはよく知っている。着信が繋がってしまった以上、連絡が付く可能性をアキラは既にユキへ知らせてしまった。もし今電源を切ったとしても、ユキは諦めず連絡をとり続けるだろう。アイツは、そういう男だ。 アキラはとうとう観念し、スマホを操作した。通話状態にしたスマホを恐る恐る耳に当てる。「……なんだ」 アキラの声は自分が思っている以上に、ぎくしゃくしてしまった。しかしそれは向こうも同じで、声が固い。お互いぎこちなく会話が始まる。 ユキはアキラが大方予想していた通りのことを言葉にした。みんな待ってるから、戻ってこい――。 さて、どううやむやにするか。アキラは差し障りのない言葉で受け答えしながら考える。部屋を掃除してくれていたケイトに悪いと思っている。しかし、ハルのことを思うとどうしても足が動かない。俺は、今更どんな顔すりゃいいのかわからないんだよ。 もういっそ、電源を切って放ってしまおうか。弱気な考えが頭を通り過ぎた。 しかしユキのある一言が、アキラの動きを止めた。「アキラになら渡せると思うんだ、俺にとっての花をさ」 息が、詰まった。 ユキはさっきまで、自分にとってハルはかけがえのない存在のように表していた。だが、その大切に絆を育てた花を手放して構わない、とユキは言う。 アキラは自分の耳を疑い、念を押す。「……ユキ、本気で言ってるのか。お前はそれを大切にしてるんじゃなかったのか」「そうだよ。でもアキラなら、枯らせるなんてしない。きっと大切に大事にして育ててくれる。ハルのこと、幸せにしてくれる。悲しませたりしない。――だからまた、家に帰ってきてよアキラ。俺もばあちゃんもハルも、待ってるから」 ユキの声にはもう、緊張も恐れもない。ぐらぐらと揺れるアキラの心を支えてくれるような優しさがあった。 ああ、やっぱコイツはケイトさんの孫だけあるわ。ついアキラは感心してしまう。そして、俺はどんどん逃げ道を塞がれていくわけだが。「……どうして俺の周りには、揃いも揃ってお節介な奴が多いんだ」 アキラは苛立ちと困惑を混ぜた声をこぼした。「宇宙人の策略か? 俺をはめてどうするんだ」「策略でもないし、はめるつもりもないよ」 ユキが苦笑する。「俺はただアキラとハルが一緒にいるところを見られないのがイヤなだけだから」「お前さぁ……本当にいいのか? 俺みたいな男にハルを渡してもいいよーってほいほい言っちゃって」 お前だって見ただろう。もしあの時来るのが遅かったら、俺はお前の大切な花を手折るところだったんだぜ。気安く渡して、俺が手ひどく扱って取り返しがつかなくなっても、構わないのか? 自嘲を込めた問いかけに、ユキの答えは単純で明快だった。「いいよ」 一瞬の迷いもなく、ユキの口からするりと返事が来た。 とうとうアキラは絶句してしまった。断言する口調に二の句が告げられず、「あー、もう」と頭の後ろに手をやる。 お前は、お前らはいったい俺をどうしたいんだ。そんなに俺を困らせるようなことばっかりしやがって。これは新手のイジメか!? アキラは訳もなく叫んで逃げ出したい衝動に襲われた。いっそ、海に飛び込んで溺れてしまいたい――。「あーっ!!」 立ち尽くすアキラの背後から、突然大声が飛んできた。久しぶりに聞く懐かしい声に、アキラは反射的に身体ごと振り返る。 そこに立っていたのは、ずっとアキラの心を占拠している相手――ハルだった。アキラを見て瞬きする顔が、たちまち花が咲くように綻んでいく。「って……ええっ!?」 困惑するユキの声が聞こえるスマホを耳から離し、アキラは呆然とハルを見つめる。まだ心の準備がまるっきり出来ていない。逃げなければ。そう頭が命令しているのに、身体が言うことを聞いてくれない。指一本、ぴくりとも動かせなかった。 ハルは大きく両手を広げ――アキラに向かって突進する。ぐんぐん近づく距離、ハルの走る速度はまったく衰えない。 アキラは失念していた。ハルには遠慮という概念が他よりも薄いことを。そして、自分が立っている場所――通路の端であり、すぐ後ろが海であることを。「おっかえりー!!」 猪のごとく猛進したハルが、勢いそのままにアキラへと抱きついた。その衝撃で、足を踏ん張り損ねたアキラの身体が後ろへぐらりと傾く。背中から落ちるアキラを待ち受けているのは海面だ。 落ちる落ちる落ちる! アキラは腕を振り回して、掴むものを探した。しかしそれも一瞬で徒労に終わった。手は空を掴み、アキラは抱きついたまま離れないハル共々、吸い込まれるように海へ落ちていく。「うおぁあぁああ――っ!?」 不意打ちのせいで間抜けになったアキラの叫び声が、江の島の空に響く。 海水が口の中に入り、アキラは慌てて口を閉じ、手で押さえた。ハルがぎゅうぎゅうとアキラの首に腕を回し、身体を密着させる。 このままじゃ本当に溺れてしまう。ついさっき考えていたことを皮肉な形で実行してしまったアキラは、ハルの腰に手を回した。暴れられては、こちらが動きづらくなってしまう。 ハルを抱き寄せ、アキラはプロムナードの壁を蹴った。片手で水を掻き、海面に向かって上昇する。「アキラおかえり!」 海面から顔を出すなり、ハルが言った。 アキラはどうにかハルを引きはがしたかったが、海に入った状態では思ったように身体は動かない。着ている服が水分を含んでまとわりついていて、重い。ついでにターバンも。「ハル、お前なあ……いきなり抱きつくんじゃありません!」 しかたなく口頭で注意する。しかしこれぐらいでしょげるハルではない。笑顔のままで「ごめんごめーん」と軽く謝った。ぜんぜん悪いと思ってないだろ、お前。「だってアキラが帰ってきたから、ぼくうれしーい!」 そう言ってハルはアキラにさらに抱きつく。どうにか自由になっている手で壁に爪を立てているアキラは、気が気ではなかった。手を離したら、また海に沈んでしまう。かと言ってハルを引きはがすにも片手じゃ不利。腰に回していた手は離しているが、そのハルの身体に邪魔をされ、思うように動かせないでいた。「ハル。――ハル。やめろ、抱きつくな」 アキラは身体を揺らし、ハルに抵抗する。「どうして?」 不思議そうに見つめるハルに、アキラはとうとう本音を暴露する。「そんなことをされたら、俺はどうしたらいいかわからなくなる」「どうしたらって?」 とことん鈍いハルに、アキラはもう限界に達していた。「だーかーらーっ! お前にヘンなことしそうになるんだよっ! わかれよっ!!」 我ながら無茶を言っている。アキラはどこか冷静な部分で喚く自分に失笑した。しかし事実だ。もし海で溺れかけているだなんて状況じゃなかったら、きっと押し倒してる。だから距離を取ったのに、この様だよ! くっそ、とアキラは唸る。「ちょっとでもいいからわかってくれよ……。頼むから」「ぼく、わからない」 ハルは自分から顔を背けてしまったアキラに言った。「わからないけど、いいよ」「…………っ!?」 絶望しかけたアキラの頬が一瞬で熱くなった。 ハルはやっぱり笑顔のままで言う。「ぼくね、たぶんアキラにされることでイヤなことって一個もないと思うんだ。だって、アキラはぼくが本当にイヤがることしないもの。だから、アキラはぼくにイヤなことしないって信じてる。イヤなことしないアキラのすること、してもいーよ」「……おまっ」 アキラは壁から離した手で口を押さえた。なんなんだ、コイツは。本気で、俺を信じきって――。「この、バカ……っ」 完敗だよ、こんちくしょう。 これはやっぱり策略だ。目の前の宇宙人は、俺に迷う暇すら与えてくれないようだ。無邪気に、無自覚に余裕を削っていく。 アキラは身体の向きを変えた。壁を背にして身体を支え、ハルを抱きしめる。あの朝の日よりも強く。 逃げ道を全部潰された気分だ。だったら、もう突き進んでいくしかないだろう。そう考えると、今までぐちぐち悩んでいたのがバカらしくなった。ハルに、自分の考えがそのまま当てはまると思ったのが、そもそも間違いだったんだ。「アキラ?」 抱きしめられていたハルが、アキラの肩を両手で押した。至近距離で見つめあい「大丈夫? 苦しそうだよ?」と不安そうだ。 アキラは「平気だ」と笑った。苦しいけど、これはちょっとやそっとのことでは治らない。恐らく長期戦になる。だから、今のうちに慣れておかなければ。「ほんとう? 嘘つきはハリセンボンだよ?」「本当本当。お前は俺を信じてるんだろう?」 むーっ、と不審がるハルを、アキラは改めて腕の中に閉じこめる。 頭上から、誰かが走ってくる音が近づいてきた。同時にアキラとハルが見上げる。すると通路からひょっこりユキが顔を覗かせた。ハルを抱きしめているアキラに、ユキは目を丸くしたが――すぐに笑った。 アキラはユキやハルと共に、真田邸へ向かっていた。手ぶらなのは、二人に荷物を奪われたからだ。アキラの先を行く二人は「今日はごちそうにしよう」だの「ご飯が終わったらヘミングウェイに行って皆で釣りをしよう」だの好き勝手に予定を立てまくっている。端から見ればもうすっかり仲のよい兄弟だ。「お前ら、その前に風呂と洗濯だろ。俺のスーツずぶ濡れにしやがって」「ずぶ濡れにしたのは俺じゃないってば。ハルだろ」「ごめんごめぇん。うれしかったからさぁ」「でもターバン巻いてないアキラってなんか、新鮮だな」 アキラを振り返り、ユキが「ちょっと知らない人みたい」と率直な感想を述べる。「ユキ……お前まさかターバンのあるなしで俺か俺じゃないか認識してたりしてないよな」 聞き捨てならない台詞にアキラは頬をひきつらせた。俺のアイデンティティーってターバンなのか、ユキにとっては。「ま、まさか」「露骨に目をそらすんじゃありません! 余計気になるから!!」「そんなことないよねー、ユキ。アキラはアキラだもん、ターバン関係ないし」「だ、だよなー。ハル」「まぁいい。だが後で話を聞くから覚悟しとけよユキ……」 恨みがましくアキラは半眼でユキを睨みつける。ユキはアキラから視線を外し、聞かないふりをして「ほら、早くいこうっ」と先を急かす。 しばらく会っていなかったのに、広がったと思っていた距離は海から家に戻る短い間に縮まっていく。前と変わらない。 いや、これから自分から縮めていくんだろうな。アキラはハルの背中を眺めながら漠然と思った。 ハルはまっすぐに咲いた花。 これから俺は咲き誇る花びらに手を伸ばす。どうなるかは――その時になってみないとわからない。 だけど、今は――。「アキラっ! もうすぐ家っ。ケイトが待ってる!!」 ただ与えられる幸せを享受するのも悪くない、よな? 大きな門をくぐり抜け、三人そろって階段を昇る。その先に見えるは花と緑で庭が彩られた古くも暖かみが残る家。 ユキが「ただいま」と扉を開く。荷物を持って先に入るユキの後を追いかけようとしたハルを「ちょっと待ってくれ」とアキラが呼び止めた。「どうしたの、アキラ」「あー、その、なんだ」 頬を掻きながら、視線をさまよわせる。「これ、これな」 左手につけられたブレスレットを掲げてみせる。「ずっと……言えなくて悪かったな。うれしかったよ。――ありがとう」 言い慣れない言葉に、少しだけ声がどもった。恥ずかしい。こんな時に決めなくてどうするんだよ。ついアキラは自己嫌悪してしまう。「ありがとうはうれしい気持ちっ」 しかしハルは微笑んだ。「だからぼくもありがとう。アキラが帰ってきてくれて、ぼくうれしい!」「まったく、お前は……」 ハルには叶う気がしない。 アキラはハルの頭に手を伸ばした。髪をくしゃくしゃかき混ぜ、その背中を叩く。「ほら、家にはいるぞ。お前の服だって洗濯しなきゃいけないんだからな。風呂だって」「一緒に入る?」「それはまだ勘弁してくれ……」「えー、一緒にお風呂楽しいのにぃー」 言い合いながら、アキラはハルの背中を押して、真田邸の玄関を開ける。 こっから、スタートラインだな。俺とハルとの――。 そう思いながら、アキラはまた始まる真田邸での生活の第一歩を踏み出す。もう、アキラの心には不安も何もなくなっていた。 風呂から上がったアキラは、東屋にあるベッドに寝転がった状態でぼんやり海を眺めていた。庭からは、物干し台に干された洗濯したてのアキラとハルの服が並んで風にはためく音が聞こえる。天気もいい、すぐに乾くだろう。波の音と相まって、眠りを誘う。そういえばここ最近仕事に集中しすぎてろくに寝ていなかった。 油断していた口から欠伸がこぼれる。いかんいかん、帰ってきたその日に図々しく一人のんびり寝るなんて。目を開ける努力をするが、それよりも眠気は手強かった。気の緩んだアキラの隙につけ込んで、眠りに誘う。 ゆっくりアキラの瞼が落ちた。「アキラーっ」 そこに騒がしくハルがやってきた。しかし眠っているアキラを見つけ、すぐに両手を口で塞ぐ。 幸いにもアキラを起こさずに済んだが、ハルは困ってしまった。ユキに食事の準備が出来たから、アキラを呼びにいくよう頼まれたのだ。しかしアキラの寝息は深く、ハルは起こしちゃいけないような気がした。だって、こんな風に眠っているアキラ、ぼく初めて見るもん。 ハルはアキラの前に回り込んで、寝顔を観察した。注がれる視線には気づかず、アキラは眠りこけたままだ。「アキラ」 ほっぺをつついてみる。すると眉間にぎゅっとしわを寄せ、手で払われてしまった。 むずがる子供のような仕草を、ハルはかわいいと思った。そして、もっと見つめていたくなってしまう。アキラ、すごく気持ちよさそう。 ハルはベッドにあがり、アキラと向かい合うように寝転がった。すうすうと聞こえる寝息が、ハルの耳に心地よく響く。それを聞いていくうちに、なんだかハルも眠たくなってきてしまった。 そっとハルはそっとアキラに身を寄せる。 アキラの身体は温かく、洗いたての石鹸の匂いがした。どうしてだろう。ぼくと同じ匂いなのに、なんだか胸がどきどきするよ。痛くないのに何でだろう。ぼく、またヘンになっちゃったのかなぁ? 新たな疑問に直面しながらも、ハルの意識も緩やかに眠りへ落ちていく。まぁいいか。それよりもアキラが起きたら、どんな楽しいことをしよう。今さくらに教えてもらっているアクセサリー見てくれるかな。 色んな楽しいことを思い描きながら、ハルは瞼を落とす。「……なかなか帰ってこないと思ったら」 すっかり寝入ってしまった二人に、ユキは思わず笑った。やっぱりこの二人ってお似合いだよな。 そしてユキは二人が揃っている幸せを噛みしめる。「せっかくだし、夏樹に見せようかな」 滅多にないシャッターチャンスだ。ユキは服のポケットからスマホを取り出して、カメラを起動させる。 どうせなら、ずっとこの幸せを感じていられますように。そう願いながらシャッターを切る。よし、うまく撮れた。出来映えの良さに満足し、スマホをしまった。 今はもう少しゆっくりさせてあげよう。その場を後にする前に、ユキはもう一度二人を見る。 ハルと一緒に眠るアキラの寝顔は、これまで見てきた彼の表情よりも一番幸せそうだった。 [0回]PR