ジュンゴとにょたうさ デビサバシリーズ 2013年04月29日 うさみみが女体化しているので折り畳み 「おお……」 現れたミニスカート姿のオレを純吾は、上から下まで隅々と見つめた。「そ、そんなに見つめるなよ……」 視線がくすぐったくてオレはもじもじとする。ちょっと早まったかな、と思った。女の子になったからにはって、緋那子に着せられたこの格好が、自分の目が慣れるまででも。「優輝、かわいい。すごく。とても」「うわっ」 純吾が両手を大きく広げ、オレをしっかりと抱きしめた。「誰にも見せたくないぐらい、かわいい」「ちょっ、バカ。苦しい……っ」 純吾の中にある辞書には力加減という言葉が抜け落ちてるんだろう。抱きしめられるのは嫌じゃないけど、せめて力を緩めてほしい。「あ、ごめんなさい」 純吾が慌ててオレから腕を放した。しかし完全には離しがたいらしく、そわそわとオレの両肩に手を置いてこちらを見下ろす。「でも、すごくかわいいよ」「……それはどうも」 微笑む純吾から素直に褒められても、オレの口からは素直な言葉が出てこない。そもそもミニスカートなのは履かせられたものだ。女の子になったんなら、少しぐらいオシャレしろと言われたけど、その理屈がわからん。近くにいた維緒も面白そうにくすくす笑うだけで、止めてくれなかったし。あれは維緒も楽しんでやっているな、ったく。 溜息をつくオレに、落ち着かない様子で純吾が尋ねた。「ね、これからはずっとそれ?」「んなわけないだろ……。ジュンゴに見せてすぐ着替えるつもりだから」 もちろん着替えも持ってきた鞄に詰めてある。スカートは何だか足がすうすうするから、早く元に戻りたい。「じゃあ見せたからオレは着替えに――」「ダメ」 目的は達成したからなとその場を立ち去ろうとしたオレを、純吾が後ろから引き寄せた。驚いたオレの手から荷物が滑り落ちる。「優輝、かわいいのに着替えるなんてもったいない」「もったいないとかそういう問題じゃなくて――」「それに優輝は足が綺麗。ベッドの中だけしか見れないの、ジュンゴさみしい」 かあっと耳の先まで紅潮していくのが自分でもわかった。「――バカ!!」 オレは純吾をきつく睨み、頬を掌でぐいっと押しやった。明後日の方向に首が曲げられ「いたい」とゆるんだ純吾の腕から脱出する。「そういうことばっかり言う奴なんてオレは知らない!」 べーっと舌を出し、オレは荷物を持って走った。ここまでサービスしたんだからもう十分だろ。それにジュンゴはベッドの中でいくらでも見れるんだから。足だけじゃなくて、胸とか、もっと恥ずかしいところも見てるくせに、贅沢なヤツだ!! 足が前に出る度、ひらひらするスカートが心許ない。早く着替えたい一心でオレは自室に駆け込んだ。 [0回]PR